| キットで救命訓練継続 岐阜関市 |
一人一台ずつ人形があると 待っている時間もないし、効率よく講習を受けられますね。 また、その人形を持ち帰れば 家族にも関心の輪が広がりますね
「いち、に、さん、しっ」−。教員の掛け声に合わせて生徒たちが絶え間なく心臓マッサージ(胸骨圧迫)を続ける。 岐阜県関市の小金田中学校で行われた救命措置を学ぶ実習授業では、倒れた人を発見した想定で、救急車の手配から、気道確保、人工呼吸、自動体外式除細動器(AED)の使い方などを学んだ。 参加したのは一年二組の生徒たち。心肺蘇生(そせい)法とAEDの使い方については、専用のトレーニングキットを使った。地元の救急救命士や看護師、NPOの会員なども指導にあたった。 同市は昨年度から市内中学校十一校の一年生全員に、専用キットを無料で配布している。キットには人工呼吸や心臓マッサージを練習できる人形、AEDの模型、繰り返し学べるようDVD教材が収められている。 学んだことを自宅でも復習し、家族に伝えるという重要な宿題も課された。同市教育委員会学校教育課主任主査の塚原紀子さんは「緊急時に対応できる力を養うことはもちろん、命の大切さを考えるきっかけになれば」と狙いを話す。 埼玉県歯科医師会は小学生を対象にした講習会を実施。救急医や看護師らでつくる「日本臨床救急医学会」(東京都中野区)でも学校教育への普及促進策を検討している。これまで、主に社会人を対象に行っていた心肺蘇生を、子ども向けに広める試みが各地で広がっている。 ◇ AEDの設置は進んでも、人工呼吸などによる心肺蘇生が社会に浸透してこなかった背景には、人工呼吸は難しく、口を付けることに抵抗感があるといった理由があった。NPO法人大阪ライフサポート協会(大阪市東淀川区)では「PUSHプロジェクト」を進めている。誰でもできる心肺蘇生として、人工呼吸を行わず心臓マッサージのみの心肺蘇生法とAEDの使い方を広め、一人でも多くの命を救おうというプロジェクトだ。 大阪府が実施した、府内で発生した病院外心停止を集計したデータによると、心臓マッサージのみの心肺蘇生でも、何もしていない場合に比べて一・七倍救命率が上がり、人工呼吸を併せて行った時とほぼ変わらない。 さらに同協会は学校での講習会開催に向け、子どもでも使うことができる簡略型の訓練用箱型キット「あっぱくん」を作製、今月から二千六百二十五円で販売を始めた。箱を開くと心臓をかたどったスポンジが中央に入っており、強い力で押すことで「ピッピッ」と音が鳴って圧迫ができているかを確認できる仕組み。AEDの模型も入っているので、心臓マッサージとAEDの訓練が一緒にできる。 東京、大阪、名古屋、福岡、仙台など主要各都市では、あっぱくんを使った講習会が計画されている。同協会の松本耕司次長は「小中学校や高校でそれぞれ一回ずつ学ぶようにしたい。小さいころから継続して学ぶことが重要だ」と話す。 名古屋の講習会を主催するNPO法人「あいちクローバー」(名古屋市中村区)は子ども向けに、ドラえもんやアンパンマンの歌のリズムに合わせて心臓マッサージを行う方法も検討している。福元博樹代表は「子どもだから無理というのではなく、AEDは何のための道具かを知っているだけでも、命を救うリレーに加わることができる」と力を込める。 (福沢英里) http://www.chunichi.co.jp/article/living/health/CK2009081402000057.html
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